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まさかの映画化だ!!

作者は、まもなく『重力ピエロ』も公開される伊坂幸太郎。4年前の福井晴敏を彷彿とさせる大活躍である。このゴールデンスランバー、映画化の報を聞いて何故驚いたかと言うと、本書はビジュアルに訴えかける描写が心地良く、実に読み応えのある内容ではあったものの、余りにも荒唐無稽な展開が随所に見られ、ある意味「リアリティを感じなかった」からである。巨漢の警官が、群集の眼前で散弾銃を発砲するくだりや、主人公(便宜上の)が逃走過程で、指名手配中の連続殺人犯と遭遇、しばし行動を共にするといった、非現実的なシチュエーションを映像化するのはどうか?と。ただ悔しいことに、先が気になって、睡眠時間を削って読了したのは確かである。映画化に関しても危惧しているだけで、否定しているわけではないので、念のため。原作を凌駕する、エンターテインメントに化けてくれることを大いに期待したい。

現在公表されているキャストを見ると、樋口晴子役に竹内結子の名前が挙がっている。これはイメージにピッタリ、ナイスキャスティングかも。あと、ザ・ビートルズに詳しい方は既にお気付きと思うが、同名タイトルの曲が作品中にも度々登場するものの、これを映像に絡ませるのは少々わざとらしさが目立ちそうで(文字では音が聴こえないわけだし)若干不安も残るため、この辺りをいかに巧みに演出してくれるかも楽しみである<実際この曲がストーリーに直結しているわけではない。主人公含め、取り巻く旧知の友が4人であることを、ビートルズメンバーに準えたのかも…知れない。

とにかく本書は、登場人物の数がハンパではない。もしこれから読んでみようと思われた方は、必ず「第三部 事件から二十年後」にしおりを挟みつつ、時折戻って読み返すことをお薦めする。一瞬しか出て来ない、ファミレスのウェイトレスの名前とか、絶対覚えてられるわけがないので。

あともうひとつ、今後読む予定のある方へお薦め。映画「バンテージ・ポイント」と「ザ・シューター/極大射程」を先に観ておくと、読み進めるにつれ、イメージが脳内に構築されて2倍楽しめること間違いなし…だと思う。私はこれを逆に実行したため(というか、まだ映画の方が制作されてなかったので)、もう一度読んでしまいましたがw<尤も共通しているのは、「一国のトップが命を狙われる」という点だけだけど。