本作を『座頭市の延長上にある』と思って観ると、おそらく肩透かしを喰らいます。もちろん基本プロットを踏襲しているわけですし、主人公のディテールや時代背景は座頭市属性ではありますが、個々の持つ座頭市に対するイメージ如何によっては、許せない作品へと転がってしまうかも知れません。特にヒーロー性を期待していた方には、完全に食い足りない感は否めないでしょう。ただ、綾瀬はるかファンは絶対見逃してはいけない一作だと言えます。だから私は、昨年劇場で観ていたにもかかわらず、わざわざプレミアム・エディションを買ったわけで…<早くもここでオチか?ウインク

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瞽女(ごぜ)。日本語では何のことを指しているのかさっぱりですが、『a blind female strolling musician』と英訳された方がよく理解出来るから愉快です(英語訳が辞書に用意されているのには驚きましたけど)。盲目の女性旅芸人…とでも訳すのが適切でしょうか。つまり綾瀬はるかチャン演ずる市は、この放浪集団の一員だったのですが、諸々あって『離れ瞽女』となってしまいます。生まれた時から身体が不自由であることに始まり、身辺がどんどん悲惨な状況に陥って行くにもかかわらず、またズタボロの着物を纏い一切化粧をしていない(もちろん役柄相応のメイクはされてますが)にもかかわらず、ちっとも汚くない!ある意味、ここが最大の見所と言えるでしょうか?クラッカー

殺陣における最大の見せ場たる「十人斬り」ですが、本編ではハイスピードとノーマルスピードを組み合わせ、巧みなカット割りと合成でごまかした…ように見えたんですけど(VFXは曽利監督の十八番ですし)、メイキングではその一部始終をワンカットで捉えていて、正直驚きました。一瞬「ZIPANG」での、地獄極楽丸の橋上50人斬りを思い出してしまいましたね(北村龍平の「あ●み」200人斬りは正直タル過ぎます)。殺陣のみならず、三味線の弾き語りも吹き替えナシでこなしてしまうんですから、綾瀬はるかってホント出来る子ですね、若いのに。自ら下半身を引き千切るサイボーグ役も良かったラブですが、本作もまた紛れもなく彼女の代表作と言えるでしょう。



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パンフに掲載されていた加工画像は、白土三平の劇画ばりでかっこいいですOK



「おっぱいバレー」も観に行きてーよなあ。でもチケット窓口でタイトルを口にするのはさすがに恥ずかしいので、ネット予約を学習することにしますまる