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今年も間もなく3ヶ月が過ぎようとしていますが、既に決定している2Gさんの今年一番の功績は、「このCDを私に貸したこと」ですウインク。まあ購入したこと自体、大変偉いんですけどね。4枚組みのアルバムなんて、中々手を出し難いもんですし。

折角お借りしたので、じっくり聴いてみたのですけど、正直収録内容に若干の不満はあるものの、さすがは御大のスコアです。時折、目頭が熱くなることもありました。
ジェリー・ゴールドスミスの素晴らしいところは、何と言っても「仕事を選ばないこと」でしょう(実際には断ったりしてるでしょうが)。70~80年代は、そりゃもうスミスかウイリアムズかシフリンかバリー、と言われるくらいでしたから(イメージですってば)、低予算、B級作品のクレジットにその名前が刻まれているのを見ても、ちっとも不思議には思わなかったし、むしろ当然のように思っていました。本格的に映画音楽を意識するようになった頃、「作品そのものはダメダメだけど、音楽はイイ。だからサントラ盤だけは買おう」という兆候が表れ始めたのも、おそらくゴールドスミスの楽曲を聴いたことに起因しているはずです。昔からアクション系作品での仕事が目白押しだった氏は、ジョン・ウイリアムズと双璧を成す勇壮でアクティブな曲が出色で、明確なメロディーラインは記憶に残り易く、それ故「ゴールドスミスにハズレはない」という観念が、自分の中で自然に根付いたのでした。仕事を選ばないから、どんなにマイナータイトルの作品でも、非アクションでドラマ性の高い作品でも、その才覚で映像に負けない名曲を生み続けていきました。攻撃的なテーマや派手なマーチのみならず、愛や哀のジャンルまでも、得意分野であるかの如く聴こえてくるのですから、映画音楽の作曲家こそ天職だったのかも知れませんね。

今回お借りした4枚のアルバムに収められた楽曲は、それぞれがその時代を感じさせてはくれるのですが、意地悪な言い方をすれば、旧態依然としたメロディーの骨子は、懐かしさが先行してしまいます。菊池俊輔、渡辺宙明両御大とオーバーラップする一面もあります笑顔。それが氏の特性であり、持ち味であり、私が最も望んでいることなんですけどね。特に数十年ぶりに聴くことが叶った「パピヨン」のクロージングや「スウォームびっくりカプリコン1」のオリジナルには、鳥肌が立ちましたよ。「オーメン」のメインタイトルを聴いた後、思わず「デビルマンレディー」のCDを引っ張り出してきたりもしましたけど…。「砲艦サンパブロ」や「パットン大戦車軍団」に感涙し、「風とライオン」に胸を打たれ、でも「キングソロモンの秘宝」とか「リンク」とか「世界が燃えつきる日」は、収録キャパの問題から、真っ先に割愛の対象になったのだろうか?などと贅沢な不満も感じつつ、また「マッカーサー」を聴き直したり…、ついつい時間を忘れて満喫した私なのでありました。

氏は既に鬼籍に入られていますが、近年日本でも、伊福部昭先生や宮川泰先生といった、陰で映画を支えてきた功労者が相次いで逝去されるという、由々しき事態が続いています。これは映画界だけでなく、国の大きな損失と言えるでしょう。作曲者が亡くなっても、残された曲は自分が生きている以上、今もこうしていつでも聴くことが出来るのですから、こんなに幸せなことはありませんね。今頃御大たちは向こうで、大ジョイントコンサートの計画でも練られているのでしょうかね?

私の好きなゴールドスミス・スコア
(と言っても、非常に決め辛いのですが)

BEST3  愛がこわれるとき

BEST2 カサンドラクロス

BEST1 パピヨン

う~ん、3位は微妙。「カプリコン1」も捨て難いけど、映画自体の出来がアレなもので、ちょっとマイナスポイント加算ですかハート割れ