前回から随分間隔が空いてしまいましたが、バイファム投稿の際にもチラッと触れたように、実は過去のガレージキット完成品、ほとんど手元に残ってないんですよね。あるものは人様のお宅へ嫁いだり、またあるものは廃棄処分されたり、仮に完成後に保存しておいても、自らのぞんざいな管理のせいで、撮影して公開出来るような五体満足な完成品は、ほぼ壊滅状態なのです。そんな中、今回はかろうじて腕パーツが見つかった、速水仁司氏原型のゲッター2をアップしておきましょう(画像では何となくカブってるように見えますが、現物はそうでもないんですけど…)。
幼少の頃は「ゲッターロボ」というアニメが余り好きではなかったのですが、このゲッター2だけは別格で、大胆にも右手が巨大なドリルと言う、存在理由が至って明確なその意匠に惚れ惚れしたものです。またメインパイロットである神隼人のクールなイメージも、ゲッター2のお気に入り指数を高めましたね。
このキットを購入した当時、既に幾多のメーカーからゲッターロボのガレージキットが出ていたのですが、リリースの対象となるのはほとんどがゲッター1で、2は3共々冷遇されていました。モデルガレージ・ロムさんから、2&3という待望のセットが登場した時は、もう嬉しさの余り週末の1日を徹夜して、開封から3日で仕上げてしまいました。まあ3は、今でも黄色いレジンキャストの塊のままですが…。
ゲッタービジョン!
かれこれ10年くらい前のお話になりますが、あの頃はGK製作にも意欲的でしたね。今は年を追うに従って、根気が無くなってしまったと言いますか…。で、本館の掲示板にて話題となった、離型剤落としについて。2Gさんから「この話題はもうおしまい」と幕を引かれましたけど、まだ私は何もコメントしてないので、ここで書かせてもらいますからね<ガレージキットの離型剤については…ここでは割愛させて頂きます。ご存じでない方は、お手数ですがwikiで調べてみて下さい。すみません
期間限定ではありますが、私も人様に自作キットを買ってもらった経験がある身です。つまり売り手と買い手、双方の立場を理解出来るわけですが、実際にこのゲッター2を始め、離型剤落としには一切苦戦したことが無い…と書くとウソになりますけど、私は「離型剤落としも、れっきとした模型工作の必須作業」だと思っていますし、誰も知らない離型剤落としの秘技を編み出そうと、日々模索していますので、今ではこれも案外楽しいと思っています。では何を持って「離型剤が落ちた」と判断するのか…。私の場合、「勘」です。ひたすら己の勘を信じてます。洗浄不十分でマスキング箇所が剥がれてしまった…となれば、それは自分の勘に狂いがあったから、つまりまだまだ未熟だと自分を罵倒し、数日ふて寝した後、再チャレンジします。ガレージキット製作は趣味です。ストレスを溜めたり、頭がガチガチでは楽しくないでしょ?失敗すれば、成功するまで挑むのみ、ですよ。それがステップアップにも繋がるわけですね。越えた山が苦難の連続であればあるほどまた越えたくなるし、達成感も並々ならぬものがあります。模型作りの一連の作業って、そういうものじゃないでしょうか?現にこうして、ツラいことが嫌いな私にもGKが完成させられているのです。最終目的が「欲しいものを手に入れる」ことなら、そこまでの道程も楽しくなきゃいけません。だってガレージキットは「キット」なんですから。塗るためのフィギュアじゃないですもんね。
勘に頼るとは言い切ったものの、やはり不安に駆られた場合は、パーツの総ての面にペーパーを当てます。まだまだ経験の浅い頃は、エッジをダレさせてしまい、師匠に叱られたこともありましたけれど、それも修行の積み重ねのひとつ(あ、念のために申しておきますが、このゲッター2はペーパー掛けすることなく、離型剤は簡単に除去出来た優良キットでしたよ)。もちろんこの後も洗浄しますが、初心者にありがちな失敗はココにあると思います。離型剤落とし→バリ取り&整形の後、しっかり洗浄しないと、削りカスや手の油分や垢などが付着して残っているので、ここを怠ると最初の離型剤落としの工程が全く無意味になってしまいますので。因みに…製造メーカーさんには失礼且つ乱暴な言い方になりますが、ウ○○ブの離型剤落としを使って、その効果を体感したことはありません。2週間浸けっ放しにしたことがありましたが、吹いたサーフェーサーは、爪の一掻きで剥がれましたので、便器に流してしまいました。私は特殊なルートで入手した工業用 (とりあえずこう呼称しておきます) シンナーに浸け置きした後、日本リーバのバスジフでゴシゴシと擦り洗いします。気分によってパーツクリーナーを吹き付けたりもします。その後サフ吹きに入るわけですが、「塗り分けの為にマスキングしたら、テープと一緒に塗料が剥離した」というトラブルに見舞われた方は、基本色乾燥後に塗装面全体にテープを貼ってシミュレーションすれば良いと思います。もちろん貼っては剥がしを繰り返したテープは廃棄します。いわゆる、捨てマスキングですね。仮に塗膜が剥離しても、この段階ならサフと基本色だけのダメージで済みますから。上手くいけば先へ進み、ダメならシンナーでパーツを洗ってやり直しです。正確に塗り分け線に沿ってテープを貼ってから塗装→マスキングテープと一緒に塗膜が剥がれた、ではバカらし過ぎますので、事前に計画を練ってから実行すべきでしょう。また、「マスキングテープを一度プラ板などに貼って、粘着力を弱めておいた方が良い」みたいな、とんでもないことが書かれている雑誌を見たことがありますが、ただでさえ粘着力の弱いマスキングテープですから、その記事どおりにすれば、肝心の塗り分け部の仕上がりに不満を残す結果となりかねません。それにプラ板に貼った際、粘着面に埃を巻き込む可能性の方が高いですしね。
とにかく、行き着く先は独自のテクニックを見つけること、なんじゃないかと思うのです。我々自爆王では、それが当たり前になっています。2G氏も私も、実行もせず頼る姿勢は好ましく思っていませんし、相互間でもその均衡は保たれています。失敗して初めて援助する。その代わり助力は惜しまない。模型工作って、手を動かしてこその趣味ですからね。なにはともあれ、ビギナーの皆さん、どんどん失敗して下さい。そしてそこから何かを見つけて下さい。私もまだまだ失敗しますよー!