久しぶりに短期間で読破した本。この後、著者の奥山氏は続編を2冊残して旅立たれた。NHKで放送されていた、特別番組を偶然観たせいでもあったが、読む気にさせたのは、これまた偶然拝見した「この本を読んだガン患者さん」のブログだった。現在のところ、私はガンに冒されてはいない。健康な状態で読むと、一体どんな感情が湧くのだろうか?不謹慎と思うなかれ。それは著者自身が敢えて望まれた事なのだ。
この本から色々と学ぶところは大きい。正直にコメントすると、本人が書かれているように「感動の闘病記とは縁遠い」表現と構成が面白く、同情や慈悲は丸で芽生えて来ない。当人にしか分からない悲しみや苦しみを、誌面から汲み取ることなんて出来っこない。哀れんだりする方が、余程失礼だと思う。しかし、何より感心したのは、その博識ぶりと研究熱心なトコロ。こういう人が亡くなったことは実に惜しい!と感じさせる、ユーモアとバイタリティーに溢れている一冊。何より我が身の健康を、今一度顧みる機会を与えてくれたことに陳謝せねばなるまい。
好きに生きなきゃ…時間が勿体無いよ。そう教えてくれた気がするなあ。